サイネージ広告の料金相場広告枠の値段の決め方と運営にかかる費用
サイネージ広告の料金は「15秒の1枠を1か月流す」単位で決める媒体が多く、公開されている料金表では、銀行の店舗ロビーで月5,000〜20,000円、商業施設の館内全体で月10万円からといった幅があります。料金を左右するのは、画面の台数と、1か月に流れる回数です。
料金の単位は「1枠・1か月」
店舗や施設のサイネージ広告では、15秒の動画1本分を「1枠」と数え、1か月単位で料金を決める形が多く見られます。30秒の広告は2枠として扱う媒体もあります。
全ての枠を1周流す長さを「1ロール」と呼びます。例えば東邦銀行の店舗ロビーの資料では、1ロールが約15分(銀行のお知らせ約7分と、企業の広告約8分・30枠程度)で、1店舗あたり1日24回流れると説明されています。
公開されている料金の例
| 媒体 | 台数 | 1か月の料金(1枠15秒) |
|---|---|---|
| 銀行の店舗ロビー(東邦銀行) | 原則1店舗に1台・91店舗 | 5,000〜20,000円(配信エリアによる) |
| 路線バスの車内(松江市交通局) | 4台セット | 18,200円(税抜)。ほかに製作・管理費 12,000円と掲出作業料 20,000円が1回ずつかかる |
| 商業施設の館内全体(アリオ上田) | 6台 | 100,000円〜(税別) |
| 商業施設の館内全体(アリオ八尾) | 11台 | 250,000円〜(税別) |
各社が公開している資料をもとにしています(2026年10月に確かめた内容です)。東邦銀行の資料には、税の扱いの記載がありません。出典:東邦銀行・松江市交通局・アリオ上田・アリオ八尾
同じ15秒の枠でも、台数と人の多さによって料金は10倍以上変わります。自社の料金を考えるときは、場所の種類と台数が近い媒体と比べると目安になります。
料金を左右するもの
| 要素 | 料金が高くなる方向 |
|---|---|
| 台数 | 1枠で流せる画面が多い |
| 場所 | 人が多く通る・立ち止まる場所にある |
| 1か月の再生回数 | 1ロールが短い・営業時間が長い |
| 画面の大きさ | 大きく、遠くからも見える |
| 報告できるデータ | 再生回数に加えて、画面を見た人の数(視認者数)も出せる |
枠の数を増やすと、1ロールが長くなり、1枠あたりの再生回数は減ります。売りたい枠の数と、1枠に約束できる再生回数は、一緒に決める必要があります。
1回あたりの単価を出す
料金が高いか安いかは、1か月の料金を再生回数で割ると比べやすくなります。
| 計算 | 例(説明用の数値) |
|---|---|
| 1台1日の再生回数 | 営業10時間 ÷ 1ロール10分 = 60回 |
| 全台1か月の再生回数 | 60回 × 30日 × 10台 = 18,000回 |
| 1回あたりの単価 | 1枠の料金 30,000円 ÷ 18,000回 = 約1.7円 |
広告主には、料金と一緒に1か月の再生回数の見込みを示すと、比べてもらいやすくなります。東邦銀行の資料でも、1枠1店舗あたり月528回(15分に1回・1日6時間・22営業日)という試算が料金の横に書かれています。
AIカメラ付きの端末なら、画面を見た人の数をもとに「1,000人に見られるあたりの料金」でも示せます。視認者数の数え方は「AIカメラ付きサイネージで分かること」で説明しています。
「広告配信くん」なら、再生回数を端末ごと・動画ごとにCSVで出力できます。料金の根拠になる再生回数を、広告主への報告にそのまま使えます。
運営にかかる費用
料金を決める前に、広告枠を売る側にかかる費用を把握しておきます。
| 費用 | 目安 |
|---|---|
| 配信システム(CMS) | 1台あたり月4,000円〜1万円程度 |
| 保守・サポート | 月3,000〜5,000円前後 |
| ディスプレイ | 屋内用10万〜40万円、屋外用50万〜300万円 |
| 再生用の機器(STB) | 3万〜25万円 |
| 設置工事 | 屋内2万〜10万円、屋外10万〜20万円 |
目安はイッツ・コミュニケーションズの解説記事(2025年10月公開)によります。このほか、通信費と電気代が設置場所ごとにかかります。
配信システムの月額は、製品によって差があります。1台あたり月1,000円前後〜3,500円ほどの料金を公開している製品もあります(2026年10月1日時点の公開情報を当社で調べたもの)。「広告配信くん」は1台あたり月1,560円(税抜)、専用端末は39,500円から(15.6インチ)です。
自社の料金を決める手順
- 売れる回数を数える 台数、営業時間、1ロールの長さから、1枠が1か月に流れる回数を出します。
- 費用を枠に割り振る 1か月の運営費を、売れる見込みの枠数で割り、1枠あたりの最低限の料金を出します。
- 近い媒体と比べる 場所の種類と台数が近い媒体の料金表と並べ、高すぎないか確かめます。
- 報告の中身を決める 再生回数をどの単位で報告するかを決め、料金表に書きます。
報告の中身は「サイネージ広告の再生回数レポートとは」、始めるまでの流れは「店舗サイネージ広告の始め方」で説明しています。
よくある質問
30秒の広告はどう数えますか?
2枠として扱う媒体があります(例えばアリオ上田・アリオ八尾の資料)。1ロールの中で15秒の枠を2つ使うためです。
1か月より短い契約はできますか?
媒体によります。例えば松江市交通局の料金表では、1か月未満の場合、広告掲出料の10%を短期掲出料金として加えています。
広告主が動画を持っていないときは?
広告料とは別に、動画の制作費がかかります。東邦銀行の資料では、静止画の組み合わせで2万円、撮影する動画で10万円という目安が示されています。
まとめ
- サイネージ広告の料金は「15秒の1枠・1か月」で決める媒体が多い
- 公開されている料金は、店舗ロビーの月5,000円から商業施設の月25万円からまで幅がある
- 料金を再生回数で割り、1回あたりの単価で比べる
- 運営費と売れる回数から最低限の料金を出し、近い媒体と比べて決める